みなさんこんにちは!今日は日本の名作、松本清張の『砂の器』についてです。
松本清張の原作は時代を超えて、何度もリメイクされるほどです。
中でも『砂の器』では『差別』も大きなテーマになってます。
原作は恥ずかしながら読んだことはないのですが映像化された『砂の器』では山田洋次監督が脚本を担当。1974年公開されたものが一番評価が高く、私も見たことがあります。
現代は『差別をなくそう』と運動が盛んなのに、砂の器を現代でリメイクしようとすると『ハンセン病者の差別をテーマ』にしているからという理由でオリジナルの脚本通りにリメイクできないというおかしな事態になっています。
中居正広さん主演でリメイクされた砂の器では、『ハンセン病者』を『精神障害者』にかえて制作するも、現在はその『精神障害者』も使えない。
差別をなくす為であっても、口にする事も禁止されるような状況はおかしいですよね?
今日は、砂の器からみる差別問題のおかしい点や、作中の主人公の犯行動機がおかしい点などをしらべてみました。
砂の器とは?
『砂の器』(1974年) pic.twitter.com/nDQVi0VvkA
— 本庄透 (@miyabippd) July 25, 2021
刑事の今西 栄太郎(丹波哲郎)と若手刑事の吉村 弘(森田健作)が国鉄蒲田操車場構内で扼殺死体が発見され、身元がわからず聞き込み捜査を地道に進めるところから物語は進んでいきます。
捜査の途中で、日本国内の天才ピアニストで作曲家の和賀 英良/本浦 秀夫(加藤剛)と偶然出会います。
加藤剛が80歳で死去、「砂の器」「舟を編む」やドラマ「大岡越前」に出演 https://t.co/79M8muyHgL pic.twitter.com/JYTzNFT24c
— 映画ナタリー (@eiga_natalie) July 9, 2018
👆和賀役の加藤剛さんです。作中の和賀の本名は本浦秀夫。
父・千代吉がハンセン病患者だったために6歳で父と住んでいた村を追い出されてしまいます。
それからは、お遍路で放浪することになるのですが、旅の途中で2人は世間から間違った病識による理不尽な迫害やいじめを受け続けます。
幼少期の環境が秀夫の心に人間不信という闇を作ってしまったのだと思います( ;∀;)
そんな秀夫の父はハンセン病患者の本浦 千代吉(加藤嘉)👇。
砂の器の加藤嘉さんの名演技はマジで体が震えるくらい泣かされる… pic.twitter.com/fY1qvuQCZa
— コリン・サリバン (@hyeongdo_Ji) September 16, 2019
お遍路さんで、同行二人か。
「砂の器」を思い出すな。#ブラタモリ pic.twitter.com/5FS7w2nyi5— 空母0091 (@CV_0091) March 16, 2019
常に飢えてる千代吉親子。ハンセン病患者の差別や迫害なんて現代では考えられません。
しかし、現代のコロナ感染者への根拠もない差別をする人間がいることを考えると、当時ハンセン病にかかってしまった当人も家族も親戚まで迫害されるというおかしい時代があった事も、決して過去のことではないと再認識させられます。
息も絶え絶えボロボロになりながらも亀嵩で保護されます。
松本 清張 『砂の器』
「亀嵩(かめだけ)」
名作の舞台を歩いてみませんか。
RT@mainichi_matsue
さきほど動画でご紹介したJR亀嵩駅。駅舎はこんな感じです。
亀の駅員さんがお出迎えしてくれます。#島根県 pic.twitter.com/U9TLbm7rEG— Misa (@MatueMisako) August 3, 2015
保護に力を貸してくれたのは亀嵩の派出所で勤務していた三木 謙一巡査部長(緒形拳)
【ケソ日記/8月30日(日)】
「宿命」の流れる中、父と子の別れのシーンは何度観ても泣ける。三木巡査役の緒形拳もいいわ。「砂の器」(1974) pic.twitter.com/vWd1vdgn9z— ケンケン (@takehanamituru) August 30, 2020
三木巡査は幼い秀夫のことを考え、千代吉に息子を置いて施設に入るよう説得します。
息子と離れることを嫌がっていた千代吉も三木巡査の必死な説得で決心して別れます。
三木巡査夫妻は秀夫を養子にしようと可愛がりましたが秀夫は脱走。
以前、三木巡査に出会う前に別の村で出会った巡査に迫害を受け崖に突き落とされた事で『巡査』という存在に不信感を抱いてしまったのかもしれません。
昨日、「砂の器」をみて
前からこの子役さんが気になってふと調べてみたら、名前は春田和秀さん。
かっちょいい大人になってました。
たしかに目に面影が☺️https://t.co/Je48WwsBhI pic.twitter.com/SQnXjidcuj— keity@昭和の俳優くびったけ (@keity_since1935) January 11, 2021
さらに、自分の為だったとはいえ6歳の子供からみたら『大好きな父親と引き離された』と感じた可能性もあります。
三木夫妻は愛情を持って世話をしますが、閉ざされた秀夫の心は開かなかったようです…
ちなみに、この可愛い秀夫役の子役は春田和秀さんという方。
成長した姿が👇コチラ
[映画ニュース] 「砂の器」伝説の名子役、春田和秀さん 43年を経て語る子役という“宿命”(1) https://t.co/A0fZSBkFJu pic.twitter.com/waTi0sIjl0
— 映画.com (@eigacom) August 8, 2017
目元に面影がありますね☆
ここまでは砂の器のストーリーにおかしい点はありません。
砂の器のどこがおかしいと言われているのでしょうか?
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秀夫の犯行動機がおかしい?
映画砂の器で、秀夫は和賀英良となりピアニストとして成功し、政治家の娘との婚約。順風満帆な生活を送っていました。
加藤剛さんと言えば、私はなんといっても、1974年版『砂の器』の和賀英良です。「幸せなんてものがこの世にあるのかい? そんなものは初めからないのさ…」という影のある台詞が印象的。ラストの交響曲「宿命」演奏シーンをバックに語られる父と子の悲しい物語は涙無しには観られない。#砂の器 pic.twitter.com/QJA5gYh3pB
— Hayawo.Davi (@Hayawo_Millia) July 9, 2018
しかし、ハンセン病患者の父、千代吉と過去の自分を知る三木元巡査と再会してしまいます。
これまで三木巡査と父・千代吉は24年間、文通でやりとりしていました。
『息子に会いたい』『死ぬまでに一度でいいから』と訴えていたことを誰よりも知っている三木元巡査。
和賀 英良(秀夫)と再会したことで、三木元巡査は父・千代吉と会うよう必死に説得します。
砂の器見終わった。
悲しかった。
ハンセン病についてよくわかった。
日本政府がらい予防法を 廃止したのは96年なのが驚き。
それに熊本が関わりあったのが驚き。
知らないことだらけだ。#砂の器 #映画 pic.twitter.com/EnupbYOKlA— 蘭(Ran) (@ElliePuroresu) April 13, 2021
和賀英良(秀夫)はハンセン病の父がいる事のスキャンダルの警戒、『巡査』だった三木を信用できず人間不信な心の闇のせいで、三木を殺害してしまうのです。
映画では、千代吉親子の悲しい過去をとてもうまく表現しているので、千代吉親子に同情し泣く人も大勢います。
https://twitter.com/agnes2001hisae/status/1018696352811773953?s=20
しかし、ハンセン病患者の父親を施設に入れ、養子にしようと愛情を持って育てようとしてくれた恩人の三木を和賀 英良(秀夫)は、今の地位を守るために殺害したことがやはり納得できません( ̄∀ ̄)おかしい…
映画「砂の器」で加藤剛演じた和賀は緒形拳演じる三木元巡査部長を何故殺したか。あれは自分の出世を阻む人間が現れたことを隠滅するためにした殺人ではなかった。らい病を患っていようが何だろうが和賀は父を心底愛していた。その父と引き離された恨み。なのに今更会えというのか。シ怒りと復讐。
— こゆき (@koyukki3876) August 23, 2018
見る人によっては、地位を守るためではなく幼少期に父親と引き離された恨みが爆発した、という見解もあるようです。
どちらにしても、恩人を殺害していることには変わりないのでやっぱり和賀はおかしいです。
親切に善行をした三木は余計なことをしたのでしょうか?
『砂の器』観た
ラスト40分の「宿命」がすばらしいのは言わずもがな
善意が裏目に出るのも宿命だね— アリソン (@NuisansfiN) June 19, 2021
千代吉親子からしたら三木の行動は『善の押し付け』だったの?
三木の目線で考えると、やはり和賀 英良(秀夫)の犯行は理解しがたく、おかしいよな〜と感じてしまいます( ̄ヘ ̄;)ウーン
とはいえ、千代吉親子がうけた迫害やいじめは6歳の秀夫の人格を壊すには十分すぎます( ;∀;)
『砂の器』は現代にこそもっと知られるべき映画なんだと思います。
次は砂の器の物語から離れてしまいますが、ワタシがおかしいと思う、なぜオリジナルの『砂の器』をもっと放送するなり教育に入れるなりしないのか?という謎…
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砂の器は放送禁止?
ハンセン病患者への差別描写があるために、砂の器をリメイクする時も『ハンセン病』は放送禁止扱い。
中居正広版の砂の器では『精神病患者』としてリメイクするも、新たにリメイクする際は『精神病患者』の差別表現もNG。
砂の器ってバージョンがあるんだけど、差別問題の関係で新しいものほど原作から外れるのはしょうがないか
— 三島涼子 (@suzuko_mishima) March 21, 2021
差別するな!と声をあげる人は一杯いるのに、一番見なければいけない差別問題からは目を背ける。
ていうか原作の砂の器はハンセン病がキーになってるけど映画版とかドラマ版だとそこ変えられてるのね。時代性とか差別問題とかいろいろ大人の事情があるのかもしれん
— マツモト (@MZMT66) February 11, 2018
これって矛盾してるし、おかしいことでは?
砂の器を変に現代に合わせてリメイクしたって、一番伝えなければいけない人間の醜い『差別』という行為をオブラートに包むのはホントにおかしいです(¬_¬)
現代の差別問題って、本気で考えたいのか、考えたくないのか全くわからないですね⤵
テレビ局も教育現場も〇〇団体からのクレームに怯えすぎ(笑)
障がい者が頑張る姿で感動を呼ぼうとする企画が裏目?
寄付を募って高額ギャラが支払われていた批判もあったし来年もう止めよう#24時間テレビ #富士山登山 障がい持つ少年が頭を叩かれるhttps://t.co/dwlgNyQsm6 pic.twitter.com/aYm4wt4v9H— #股関節46 田中まさゆきトレーナー (@hipjoint46masa) August 28, 2016
2○時間テレビとか、ただ同情を誘ってお涙頂戴番組を放送してる方がよっぽどおかしいと思いません?
結局差別をなくために活動してますよ!というパフォーマンスだけなんでしょうね(・∀・)
障がい者にパーフェクトヒューマンを踊らせる24時間テレビのようなセンスの持ち主になりたい。 pic.twitter.com/31F8HXTtG7
— すてきむ (@SUTEKlMU) May 26, 2020
視聴者に同情させる前に、やるべきことあると思うんですよね〜( ̄ヘ ̄;)ウーン
おかしい世の中ですね(¬_¬)
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まとめ
◆砂の器は原作よりオリジナル版の映画が一番名作!
◆砂の器の主人公に悲しい過去があったとしても恩人の三木を殺害するのはおかしい
◆砂の器でもっとも強いメッセージであるハンセン病などの差別問題を現代で放送、題材にしないのがおかしい
◆現代の差別問題を解決しようとしてる放送局はパフォーマンスだけで肝心なところから目を背けているのがおかしい
でした!
どの国も同じだと思うので日本だけがおかしいとは思いませんが、ハンセン病患者の差別も精神障害者への差別もまだまだ日本では解決していません。
目に見える障害は比較的表に出てきて活動してる方が多いですよね?乙武さんとか?差別するな平等に扱え!って…
本当に差別されてる障がい者の人たちは表に出てカミングアウトできずにいる人も大勢いるのに、そこは見なかったことにしてるんですよね(笑)おかしな世の中です。
今日はちょっと重たいテーマになってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました!